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マーケットコラム

不動産価格をデータベース化/池島 麻美

2007-09-27

池島 麻美


今回は不動産投資の情報についてご紹介させて頂きます。
地価上昇による不動産取引や不動産金融商品の活性化、そして金融資金の不動産市場への流入、不動産証券化ビジネスが進む一方、どうしても一般個人にとって、不動産情報は手に入りにくくわかりにくく投資判断が難しいというのが現状だと思います。
実際、専門業者と比べて、不動産取引において情報の入手が不利な現状であります。

アメリカでは、各都市の投資家向け不動産情報を提供する会社が存在し、英文で世界の投資家が不動産情報を入手できます。
例えば、Property & Portfolio Research, Inc.(米国の独立系不動産情報提供会社)。44名の職員のうち、33名がエコノミストで、Fundamentals Serviceが受けられます。
オーストラリアの投資銀行Macquarieは、このFundamentals serviceを受け、これを基に米国不動産投資市場に関する投資家向け説明会を実施しているということです。
米国主要54都市における不動産別(マンション、オフィス、店舗、ホテル、倉庫)の空室率、需給状況、賃料、面積、市場動向など四半期ごとのデータが得られるということです。

しかし日本におきましては、各都市の投資家向けの不動産情報はほとんど存在せず、まして海外の投資家向けの英文の情報は、ほとんど発信されていないのです。

今回、国土交通省は取引情報を共有化するべく、2009年をめどに新データベース整備を進めていくということです。
国土交通省のデータベースの内容については主に以下の4つに区分されます。

・公示地価を年に一回3万地点を対象に公開
・取引事例価格は、アンケート調査により約8万件を4月時点で公開
・不動産管理データは、2008年度から主要都市の約6,000棟のビル・マンションの管理業者によりアンケート調査で収集
・鑑定評価データは、7月より不動産鑑定を監視するために調査実施

国土交通省は、この4つの情報を一つに統括し、データベース化して利用しやすくするという意向です。
現在、公示地価や取引事例価格は、国土交通省のサイト「土地総合化情報」に掲載されています。
これは特定の地点でしか見ることが出来ませんが、データベース化が進むことで周辺の賃料や管理費、取引事例なども調べることができるのです。

このように情報の開示によって、どうしてもわかりにくい不動産市場の取引価格も透明化すれば不動産業界の透明化にも繋がると思われます。
今後はJ-REITや証券化市場においても同様に鑑定評価情報を活用したデータベース化が検討されているということであり期待したいところです。

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