スマートフォン版を表示

マーケットコラム

国債利回りとJ-REIT利回りの傾向/アイビー総研 関 大介

2015-04-02

関 大介

 今回は10年国債利回りとJ-REITの利回りの傾向について記載します。
本コラムで既に記載している通り、2014年からのJ-REITの主要な買い手は金融機関になっています。その要因として、日銀の金融緩和に伴う国債利回りの低下により金融機関は利回りが比較的高いJ-REIT投資を拡大していることが挙げられます。
2015年に入ってからの国債利回りは「図表1」の通り1月19日まで順調に低下していましたが、その後は乱高下を経ながら上昇基調になっています。それに伴いJ-REITの利回りも上昇(価格は下落)しています。

但し、国債利回りとJ-REIT利回りとの関連は、完全な相関関係となっていません。国債利回りとJ-REIT利回りとの乖離(スプレッド)は「図表2」の通りJ-REITの利回りが上昇する局面では、スプレッドが拡大する傾向を示しています。例えば1月から3月の間でJ-REIT利回りが3.17%と最も高くなった2月3日には、スプレッドは2.82%まで拡大しています。一方でJ-REIT利回りが低下する局面では、スプレッドは縮小傾向となっています。3月27日にJ-REIT利回りが3.06%まで低下した日のスプレッドは2.69%となりました。このようにスプレッドに注目すると2.70%を切ると高値感が強まり、2.80%を超えると割安感が生じる状況が続いています。

国債利回りは今後も不安定な状態が続き、そのことが金融機関のJ-REIT投資を後押しすることになると筆者は考えています。従って、スプレッドが2.70%を切る状態が恒常化する状態になれば、金融機関のJ-REIT投資の拡大を示すことになると考えられます。

マーケットコラム バックナンバー
2024/04/12
2023年度のJ-REIT価格動向と地価上昇の影響/アイビー総研 関 大介 【関 大介】  
2024/04/02
物流系銘柄に投資する場合の注意点/アイビー総研 関 大介 【関 大介】  
2024/03/15
割安感強まる物流系銘柄/アイビー総研 関 大介 【関 大介】
2024/02/26
株式を持たざるリスクに晒されるJ-REIT市場/アイビー総研 関 大介 【関 大介】
2024/02/09
アパグループ傘下となった大江戸温泉リート投資法人の投資ポイント 【関 大介】
  • PR

  • PR

決算発表動画
物件取得価格ランキング
1 新宿三井ビルディング 1,700億円
2 飯田橋グラン・ブルーム 1,389億円
3 六本木ヒルズ森タワー 1,154億円
4 汐留ビルディング 1,069億円
5 東京汐留ビルディング 825億円
株価値上り率ランキング
1 インヴィンシブル +1.90%
2 オリックス不動産 +1.45%
3 マリモ +0.92%
* 当サイトはJ-REIT(不動産投資信託)の情報提供を目的としており、投資勧誘を目的としておりません。
* 当サイトの情報には万全を期しておりますがその内容を保証するものではなくまた予告なしに内容が変わる(変更・削除)することがあります。
* 当サイトの情報については、利用者の責任の下に行うこととし、当社はこれに係わる一切の責任を負うものではありません。
* 当サイトに記載されている情報の著作権は当社に帰属します。当該情報の無断での使用(転用・複製等)を禁じます。