このページでは、このサイトが定期的に行っている個人投資家の方々に行った過去のアンケートの結果をご覧いただくことができます。

2021年版 J-REIT個人投資家アンケート調査結果

<ハイライト>

  • 回答者の主要な属性は40~70代の男性。なかでも60代が全体の3分の1を占める。97%がJ-REIT個別銘柄の投資経験を持つ。
    一人当たりのJ-REIT投資額は「100万~500万円」「1,000万円~1,500万円」が拮抗しており、より分散する傾向。金融資産全体に占めるREITの投資比率は「20%未満」が半数近くを占め、金融資産全体の中でREITが占める割合が低下傾向にある。
  • 銘柄選択の基準として、回答者の9割が「分配金利回り」を挙げ、インカムゲインを目的分配金利回りを指標とした投資商品として定着している。またコロナ禍で投資口価格が低迷した昨年を経て「投資口価格の安定性」を重視する傾向が強まる。
  • REITの投資期間は例年同様に「5年以上」が7割を占める一方、「1~3年」の短~中期投資と考える割合が増加した。投資口価格と投資期間は相関性が見られる点から、中期的に投資口価格の変動リスクに注視していると考えられる。
    また、今後のREITの投資比率を「20~40%」としたい割合が43%と高い一方、40%以上の高い投資比率にしたいと考える層が減少しており、REIT投資割合の高い層が投資を抑制したい意向が見られる。
  • 売却要因は「売却益の確定」が例年同様に最多であるが、「投資口価格の下落」が昨年よりランクアップしている点から、投資口価格の下落リスクに対する反応が大きくなっている。
  • 今後REITへ期待する点は「1口当たり分配金の成長」が変わらず最も多い。「財務の安定」が後退する一方「投資口価格の安定や上昇」を期待する声が増加している点から、コロナ禍による過度な警戒感は後退したが、投資口市況の不透明感を反映する。
  • REIT投資未経験者のうち93%がREIT(投資信託やETF含む)へ投資したいとし、REITへ投資しないと考える割合が大きく減少し、コロナ禍による過度な懸念は払拭された。   

 

<調査目的及び手法>

  1. 調査目的:

    J-REIT(不動産投資信託)は、市場創設からちょうど20年が経過しました。2021年11月現在、61銘柄が上場、市場全体の時価総額は17兆円になります。
    不動産・金融・商社・電鉄・住宅・デベロッパー・ホテル・小売・投資ファンド等、多種多様の企業が参入し、不動産を保有・運用する主体として不動産市場を牽引する存在に成長しました。 投資対象も、オフィスビル・賃貸住宅・商業施設に加え、社会経済の変化とともに、物流施設・ホテル・ヘルスケア施設と、様々な用途の不動産に拡大しています。
    REITが着実な運用実績を積み重ねた結果、不動産賃貸事業に特化し安定した収益を裏付けに高い分配金利回りを持つ金融資産として広く認知されてきました。
    しかし2020年新型コロナウイルスの感染拡大によって、REITの投資環境も大きく変わりました。
    このように先の見通しが難しい市場環境のなか、J-REITポータルサイト「JAPAN-REIT.COM」は、個人投資家の皆様がウィズコロナ・アフターコロナ時代においてJ-REITの商品性及び投資環境の変化をどう捉えているのか、その実態把握と今後の市場動向予測、またJ-REIT市場の更なる拡大を目的とし、個人投資家を対象にアンケートを実施しました。

  2. 調査手法: 「JAPAN-REIT.COM」内にアンケートフォームを設置
  3. 調査期間: 2021年11月 6日~2021年12月 6日
  4. 対象:   個人投資家
  5. 回答数:  422

 

<アンケート結果>

1. 回答者の属性 (n=422)


回答者の属性は、例年同様に「40代~70代の男性」が中心であるが、今回はなかでも60代の増加が顕著で、全体の約3分の1を占める。また昨年と比較すると、30代以下が減少する一方、60代以上が増加する等、平均年齢が高くなっている。女性の割合は2%と昨年より更に低下した。

<性別>

<年齢>

<J-REIT個別銘柄の投資経験>

 

2. J-REIT投資を始めた理由は?(n=投資経験あり408、延回答数2,313) 


REIT投資を始めた理由は、昨年同様に回答者の85%が「分配金利回りの高さ」を挙げる。次に「分配金利回りの安定」がランクしており、個人投資家が分配金利回りの高さを魅力と認識し、インカムゲインを目的として投資していることが分かる。また例年同様「少額で不動産投資ができる」「換金性・流動性が高い」も高く支持されている。「REITの仕組みが良い」がランクアップしている点から、分配金を生み出すREITの仕組みに対する理解が深まる一方、「投資口価格の上昇期待」や「投資口価格の安定」のランクが昨年より低下している点から、キャピタルゲインを期待する割合が低下している。

 

3. 銘柄選択の基準は?重要視することは?(n=投資経験あり408、延回答数1,861)


昨年同様に、回答者の89%が銘柄を選択する上で「分配金利回り」を判断基準としており、分配金利回りがREIT投資の指標として定着していることが分かる。次に「スポンサー」「運用資産の用途」が判断基準となっている。「投資口価格の安定」が昨年よりランクアップしており、従来よりも重視される傾向が見られる。
一方、「分配金の安定」が昨年より大きくランクダウンした。コロナ禍やオフィス市況悪化による分配金減少リスクを反映し、分配金の安定期待が弱まっていると見られる。実績を見れば増配となっている銘柄や物件売却益や内部留保を活用し分配金の安定を優先している銘柄も多い点から、投資家への理解の浸透が課題とも考えられる。

 

4. 現在のJ-REIT投資額は?金融資産全体に占める割合は?(n=投資経験あり408)


REIT投資額の分布は前回と大きな違いはなく「100万~500万円」の割合が22%と最も多いが、「500万~1,000万円」の割合も21%と拮抗しており、REIT投資額はより分散する傾向にある。
一方、金融資産全体に占める割合は「20%未満」とする層が昨年より6%増加し46%を占める一方、「40~60%」の層が7%低下している点から、金融資産全体の中でREITが占める割合は昨年より低下傾向にある。

<現在のJ-REIT投資額>


<J-REIT投資額が金融資産全体に占める割合>

 

5. J-REIT投資運用期間(予定含め)は?(n=投資経験あり408)


REITの運用期間は、例年同様に「5年以上」とする層が7割を占め、REITを長期投資の対象と見ている。但し、「3年~5年」が13%と昨年より4%低下する一方、「1年~3年」の割合が10%と昨年より5%増加している点から、大半が長期投資と捉えながらも、1~3年の中期投資と考える層が増加していることが分かる。過去の調査から投資口価格の変動と投資期間は相関性が見られる点から、投資家は中期的に投資口価格の変動リスクを注視していると考えられる。

 

6. 今後J-REIT投資額を金融資産全体の何%にしたい?(n=投資経験あり408)


REIT投資額を金融資産の「20~40%」にしたいとする層が43%と昨年同様最も高い。設問4の現在の投資額と比較すると、「20%未満」にしたい層が減少する一方、「20~40%」「40~60%」がそれぞれ大きく増加している点から、現在よりもREIT投資比率を高めたい意向が分かる。
一方、昨年と比較すると、「20%未満」にしたい割合はほぼ変わらず、「20~40%」にしたい割合が7%増加している点から、一定程度をREIT投資に振り向けたい意向を持つ。一方「40~60%」「60~80%」「80%以上」の投資比率を高くしたいと考える層がいずれも昨年より減少している点から、REIT投資割合の高い層が投資を抑制したいとする意向が見られる。



7. 今後投資したい用途は?(n=投資経験あり408、延回答数1,197)


今後投資したい用途として、「物流施設」が最も多く、次に「住宅」「インフラ施設」と続く。コロナ禍の影響を受けにくく、需給環境が堅調な用途が上位にランクする。物流系、住宅系ともに分配金利回りが低い銘柄が多く、設問3の銘柄選択基準となっている分配金利回りの高さに合致しない状態になっているため、REITの投資割合を高めようとしても実現できない要因となっている可能性も考えられる。





8. 売却しよう(もしくは売却した)とする要因は?(n=投資経験あり408、回答数=1,021)


REITの売却要因は、例年同様に「売却益の確定」が他の選択肢を大きく上回った。分配金利回りを投資指標としながらも、投資口価格が上昇すれば売却してキャピタルゲインを確定する動きが窺える。
一方、「投資口価格の下落」が昨年よりランクアップしている点から、投資口価格の下落リスクへの反応が大きくなっていると考えられ、昨今の投資口市況の不透明感を反映しているとみられる。

 

 9. J-REIT個別銘柄に投資しない理由は?(n=投資経験なし14)


REIT個別銘柄の投資未経験者が投資しない理由として、「REITの投資信託やETFに投資する」「資金不足」に加え、「投資口価格の下落リスク」が上位にランクした。設問8の結果と同様に、投資口下落リスクに対する懸念が強まっているとみられる。 



 10. 今後J-REITに投資したい?(n=投資経験なし14)


REIT投資未経験者のうち半数が「REIT投資信託やETFに投資したい」を挙げ、「REIT個別銘柄に投資したい」を大きく上回り、昨年の調査結果から逆転する結果となった。投資未経験者にとって個別銘柄の選択が難しい点が挙げられよう。
一方、「今後もREIT投資はしない」とする割合が昨年の17%から大きく減少した点から、コロナ禍による不透明感が後退したと考えられる。

 

11. J-REIT投資(または追加投資)するために望むことは?(n=422、延回答数1,500)


REIT投資をする上で最も期待することは「1口当たり分配金の成長」と例年同様の結果となり、インカムゲイン投資対象とするREITに常に求められていると言えよう。また昨年より「投資口価格の上昇」がランクアップしたのに対し「財務の安定性」が大きくランクダウンしたことで、設問10と同様にコロナ禍に伴う投資家の過度な懸念は後退したと考えられる。

 

12. 皆様からのご意見(抜粋)


  • J-REITの仕組みは大雑把にわかっているが、細かい点までは理解できていない。
  • 投資主としてはオフィスや住宅に分散して投資したつもりであったが、所有銘柄の大半がいつのまにか総合リートに変身してしまった。矛盾を感じている。
  • 安心して投資ができる市場であり続けてほしいです。
  • 米国長期金利との関係がよく分かりません。
  • 投資主が公募投資口を優先的に引き受ける権利が欲しい。ファイナンスが投資主にとってマイナス要因になっていることは不合理。
  • 東京以外のJ-REITが増えてほしい。
  • インフレ耐性はあると考えてよいか?
  • 地方の物件をぜひ取得してほしい。なかなか面白いものがあると思います。
  • 今後の地価下落の見通しや影響を知りたい。
  • 資産運用の一つとして良い仕組みだと思うが、安定的な収入の割に価格変動が大きい。
  • 築年数の古いビルの転売等、親会社との透明性が疑問。
  • 昨今の株価や分配金の低迷では、積極的に投資をする気になれない。
  • 昨今の価格が頭打ちの状況になりつつあり、金利上昇機運が出始めると一旦売却すべきと考えたい。
  • 運営の情報開示、透明性を重視します。
  • 増資連発と高値での物件購入はやめてもらいたい。
  • データセンターに注力したREIT組成に期待する。
  • 分配金維持のため内部留保を取り崩す銘柄もあるが、分配金を維持するための努力が見当たらない銘柄も見受けられる。
  • 個人投資家が増えることを望む。
  • REITに関する動向、成長、見通しに関するより多くの情報発信を期待する。
  • 今後も新しい投資方針を持ったREITの上場を期待しています。
     

 

本アンケートに関するお問い合わせ: JAPAN-REIT.COM運営事務局(アイビー総研株式会社 03-5405-9525  info@ibrc.jp)

 


 

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