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2021年06月22日

決算情報拾い読み ケネディクス・オフィス投資法人

2021年4月期(第32期)決算説明会資料

今回取り上げるのは、2021年6月15日に開示されたケネディクス・オフィス投資法人(以下KDO)の32期(2021年4月期)決算説明会資料です。
KDOの資産運用会社は、ケネディクスグループのケネディクス不動産投資顧問株式会社。
KDOは、2005年7月に上場しています。

 

ポートフォリオ投資方針等

ポートフォリオ戦略
1.中規模オフィスビル中心

KDOは、「中規模オフィスビルを中心とした強固なポートフォリオを構築すること」を目標として、「中規模オフィスビルのNo.1 J-REIT」となるべく、資産の拡大を目指している。重点的に投資する中規模オフィスビルとは、建物規模による投資基準「延床面積1,000㎡以上、基準階占有面積150㎡以上」に相当する別件であり、都心5区における投資法人の保有物件では延床面積500坪から3,000坪の物件が大半を占める。

中規模オフィスビル80%以上を投資することを目標とするほか、大規模オフィスビルを含む中規模オフィスビルに該当しないオフィスビル等についても20%以下の範囲で取得してゆくことを目標とすることで、ポートフォリオの安定化を目指している。

中規模オフィスビル市場の特徴と魅力は、

  ①大規模オフィスビルに比べ物件数が多いことから、潜在的な売買対象物件が相対的に多い。

  ➁物件の売買価格が10億円から100億円程度の水準であることから、大規模オフィスビルに比べ取引参加者が多く、相対的に売買が活発であるため流動性が高い。

  ③入居テナントの典型例を1フロアの専有面積100坪から150坪前後を利用する従業員30名程度の企業として捉えており、厚みのあるテナント層による比較的安定した賃料収入が見込める。

2.東京経済圏中心

経済活動が高密度に集積し、テナント需要が最も厚いマーケットと見込まれる東京経済圏に所在する中規模オフィスビルを中心とした優良物件で、安定性の高いポートフォリオの構築を目指している。また、一定程度の資産を地方経済圏に保有することで、立地条件、テナント構成の分散を図っている。

第32期のトピックス

1.投資環境

オフィスビル賃貸市場については、都心5区を中心に稼働率、賃料水準共に高い水準を維持していたが、コロナ禍におけるテレワークの拡大や企業の先行き懸念による固定費の見直し等から減床・縮小等がみられるようになった。三鬼商事株式会社が公表した2021年4月末時点の東京都心5区の平均空室率は5.65%で、前年比で4.09ポイント上昇、前期末(2020年10月31日)時点との比較では1.72ポイント上昇した。また、東京都心5区の平均賃料(新築を含む。)については、2014年1月以降上昇し続けてきたが、2020年7月を 境に低下に転じ、2021年4月末時点では21,415円(一坪当たり)となった。その他全国の主要都市においても、平均空室率の上昇が確認され、賃料水準は多少の低下が見られるものの、概ね横ばいで推移している。

オフィスビルの売買市場については、新型コロナウイルス感染症拡大により、上場不動産投資法人(J-REIT)や不動産会社等国内投資家や海外投資家による物件売買件数は減少しているものの、優良な中規模オフィスビルの売却情報は引き続き少なく、限られた売却案件に投資家が集中していること、金利動向も低位 安定が継続していることから、期待利回りは低水準で推移しており大きな変化は見られない。

2. 外部成長

当期(2021年4月期)においては、オフィスビル2物件(KDX新日本橋ビル:取得価格23億円、KDX本厚木ビル:取得価格13.05億円)を譲渡した(譲渡価格の総額41.35億円)。  その結果、当期末現在のポートフォリオ(匿名組合出資持分を除く)は、合計96物件(取得価格の総額4,401億円)となり、取得価格に基づく用途毎の割合は、オフィス ビル99.3%、その他0.7%となっている。

3. 内部成長

当期末の稼働率は99.7%と23期(2016年10月期)の水準(96.8%)に戻ってきている。33期(2021年10月)以降は新型コロナ感染症の終息が遅れ、高水準の解約と稼働の低下が継続するも、ワクチン接種の広がりとともに緩やかな回復を見込む。(33期期中平均稼働率予想:96.6%・34期期中平均稼働率予想:97.3%)

保有オフィスビルのレントギャップの状況については、テナント入替や改定時の賃料増額積上げにマーケット賃料低下の影響が重なり、レントギャップの縮小傾向は続くと見込まれる。

4. 資金調達の概要

当期においては期中に返済期日が到来した借入金197億円の返済資金として同額の借入れを行った。また、KDX新日本橋ビルの譲渡による手取金の一部を原資として、2020年11月30日 に30億円の期限前弁済を行っている。

その結果、当期末現在で借入金残高は1,877億円(短期借入金68億円、 長期借入金1,809億円)、投資法人債残高は110億円、有利子負債残高は1,987億円となっている。

 

主要指標(決算説明資料より抜粋)

ケネディクス・オフィスリート投資法人決算説明会拾い読み

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