REIT注目記事

2016年06月22日

いちごHD、インフラ投資法人設立へ

6月13日週のニュース概観

(写真/PIXTA)

概況

タカラレーベン・インフラ投資法人に続く銘柄上場が待たれる上場インフラファンド市場だが、6月14日、いちごグループホールディングス(以下、いちごHD)がインフラ投資法人設立の各種届出を行うと発表した(届出は6月17日に行い、投資法人設立は6月24日となる見込み)。
新設されるインフラ投資法人の名称は「いちごグリーンインフラ投資法人」となる予定で、太陽光発電施設を運用資産とする。資産運用会社となるのは、いちご投資顧問(現いちご不動産投資顧問。いちごオフィスリート投資法人やいちごホテルリートに加えてインフラファンドの資産運用も担当することから9月1日付で名称変更の予定)。
いちごHDの開示資料から同グループのクリーンエネルギー資産の状況を確認すると、2016年2月末時点で保有する資産額は約181億円、2016年6月16日時点での稼働発電所数は28カ所(累計MW数47.75)となっている。ここからどれだけが今回新設されるインフラ投資法人に移るのか、興味深い。

ジャパン・シニアリビング投資法人等ヘルスケア施設特化型リートの登場で注目を浴びるようになった日本版CCRCだが、6月17日、株式会社三菱総合研究所(以下、三菱総研)が株式会社コミュニティネットと日本版CCRCの全国展開を目的として業務・資本提携を行うと発表した。
そもそもCCRCとは、Continuing Care Retirement Communityの略称で、各種ケア施設を一地域に集積し、高齢者が健康な状態から要介護状態まで幅広い継続的なケアを享受できるようにしたコミュニティティ型施設のことである。米国で始まったモデルで、より日本の国民性や制度等に適合した形を目指したものが日本版CCRCと呼ばれる。
三菱総研とコミュニティネットは、今後、地方自治体や地域金融機関を巻き込みながら全国250拠点で日本版CCRCを展開していくという。

物件動向

6月13日週は以下の2件の物件動向が報じられた。いずれも物流施設に係るもので着工と竣工が1件ずつとなっている。注目されるのは2件ともに環境認証、しかもその高ランクを取得していることである。日本の不動産に対する環境認証サービスは2001年に国土交通省の主導下で開発されたCASBEEから始まるが、15年の時を経た現在、不動産にも「環境への配慮」が定着、普及したことを感じさせる。

a. 埼玉県久喜市:「ロジスクエア久喜」計画
6月16日にシーアールイーが竣工を発表した。開発計画は東北道「久喜IC」や圏央道「白岡菖蒲IC」に近接した敷地約2万㎡に地上4階建て、延床面積約4.4万㎡のマルチテナント型物流施設を建設するというもので、2015年5月9日に着工していた。環境認証としてBELSの5つ星(最高ランク)を取得している。
当該施設のテナントは既に決まっており、インテリア専門商社サンゲツが物流拠点として利用する。
b. 兵庫県神戸市:「ロジクロス神戸三田」計画
6月17日に三菱地所が着工を発表した物流施設開発計画。中国自動車道「神戸三田IC」に近接した敷地約2万㎡に建設されるのは、物流企業さとう専用のBTS型物流施設(地上2階建て、延床面積は約14万㎡)である。施設は環境性能にも配慮した設計となっており、DBJ Green Building認証制度のPlan認証で4つ星(最高ランク5つ星)を取得している。竣工は2017年6月末の見込み。
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