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2017年10月16日

神戸製鋼、不動産子会社売却観測が浮上

10月10日週のニュース概観

(写真/PIXTA)

概況

10月11日、株式会社神戸製鋼所(以下、神戸製鋼)が不動産子会社を売却するとの観測が浮上した。
売却対象として名が挙がったのは、神戸製鋼100%子会社の神鋼不動産株式会社。同社が保有する不動産は900億円前後で、2017年3月期の営業成績は売上高190億円、純利益が25億円というもの。売却額は数百億円とみられる。
一方の神戸製鋼は、当該子会社売却について「現時点で決定したものはございません」とのリリースを同日付で出した。だが神戸製鋼は2016年3月期、2017年3月期と当期純利益が2期連続赤字で、巻き返しのためには売却を含むグループ資産の再編が不可避と以前からみられていた。加えて今期は各種製品の品質データ偽造が発覚し、不良品交換に伴う多額の費用負担や信用状況の悪化も想定される。窮地下の神戸製鋼が子会社を含めて所有不動産を如何に活用してくるか、今後に注目したい。

10月11日、三菱地所株式会社(以下、三菱地所)が沖縄県宮古島市伊良部地区で進めている下地島空港整備・運営事業について、旅客ターミナル施設の新築工事着工を発表した。
下地島空港は当初パイロット訓練用飛行場として計画・整備が始まり、1980年からは南西航空の定期便が就航する。しかし利用客は伸び悩み1994年に定期便は運休、パイロット訓練用飛行場としても2013年に日本航空、2014年に全日空がそれぞれ別空港に訓練地を切り替えてしまい、新たな下地島空港活用策の策定・実施が必要となった。そこで沖縄県が同空港の利活用事業者を募集し、最終的に三菱地所が事業者の座を射止めたというのが経緯のあらましである。
今回三菱地所が着工した旅客ターミナル施設は2019年3月に開業を迎える予定。旅客史ターミナル施設開業後の下地島空港は宮古空港と並ぶ宮古島一帯の玄関口となることが期待されており、三菱地所はアジア圏をメインターゲットに路線誘致を進める他、国内主要都市からのLCC就航も狙っていく考え。
三菱地所は10月2日に香川県高松空港の運営事業に参加することを発表しており、同社の空港その他インフラ施設運営事業がどこまで成長していくか興味深い。

10月12日、Oneリート投資法人が物件3件を10月25日付で取得すると発表した。同投資法人は10月6日付で今までの旗艦物件Jタワービルを売却しており、ちょうどポートフォリオを入れ替える形となる。
今回取得する物件は全てオフィスで、地域は東京、埼玉、福岡と分散している。3物件合わせての取得額は158.5億円でそのうち最大は福岡市の大博多ビル106.5億円。この金額はOneリート投資法人既保有物件と比較しても最大であり、当該物件の組入により、Oneリート投資法人のポートフォリオは、東京圏中心の投資方針でありながら取得価格最大物件は福岡市所在という特徴的な構成となる。
上場後では旧SIA不動産投資法人時代を含めて2度目の物件取得、改名後では初となる今回の物件取得だが、Oneリート投資法人が着実に生まれ変わりを進めていることを感じさせる。

物件動向

10月10日週の物件動向だが、特に目立つものはなかった。

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