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2018年11月19日

7-9月GDPは災害もあって弱めの数字

11月12日週のマーケット概観

(写真/iStock)

マーケット全般

14日に内閣府から発表された7月-9月GDPは、前期比-1.2%となった。減速要因としては好調だった4月-6月の反動と西日本豪雨や台風といった災害の影響が挙げられた。
要因自体は事前の市場予測と同内容ではあったものの、下げ幅は市場予想の中心値である-1.0%を超える数字となった。
10月-12月は災害の影響が一段落するのでプラス成長回帰を予測する声が多いが、米中貿易戦争が冷や水となる可能性は依然として存在している。
来週には21日の9月全産業活動指数と22日の10月消費者物価指数の発表がある。前者では自然災害の影響もあって前期比-1.0%を想定する声が多いが、結果が事前予想よりさらに下振れするようだと景気への懸念がさらに増すことになろう。

週末17、18日にはパプアニューギニアでAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が行われた。
米中貿易戦争がより広範な分野を巻き込む米中新冷戦に変貌しつつあるのではないかという見方が強まる中、米国からはペンス副大統領、中国からは習近平国家主席が出席して注目を浴びたが、同会議始まって以来の首脳宣言採択断念という結果に終わり、改めて両大国の対立の厳しさを見せつける結果となった。
また、パプアニューギニアが開催地となったことで、同国は勿論、その東に広がるフィジーやソロモン諸島、バヌアツといった南太平洋諸国に対する中国の活発な援助外交にもスポットライトが当てられた。
パプアニューギニアから南太平洋諸国に至るラインは、太平洋戦争の折に大日本帝国海軍が米国とオーストラリアの連携を絶とうとしたFS作戦の標的でもあった。
そうした地帯に現在中国が活発に経済支援を行っている背景に、かつての大日本帝国海軍と同じ意図を読み取る声も出てきている。
そして米中貿易戦争については、当該問題が穏便に解決することを期待する声が依然ある一方、COCOM(対共産圏輸出統制委員会)の復活を予測する声も挙がっている。
ヒト・モノ・カネが国境を越えて容易く移動するグローバル化の進展を不動の前提と位置付けていると、古き時代の亡霊から痛撃を受けることになるかもしれない。

12日週の株式市場は、米国株式市場で半導体銘柄で冴えない決算が出たこともあり、TOPIXは下げ基調で推移した。
ただし、ヒストリカル・ボラティリティを見ると、10月29日週は約18%、11月5日週は約17%、12日週は約12%となっており、値動き幅自体は低下傾向にあることが窺える。

一方、同期間のJ-REIT市場は、東証J-REIT指数がほぼ横ばいで推移したものの、ヒストリカル・ボラティリティが10月29日週は約4.8%、11月5日週は約8%、12日週は約9%とじわじわ上昇しており、TOPIXとの差を縮めてきているのが気がかりである。

J-REIT市場

11月12日週のJ-REIT市場で活発に取引されたのは以下の銘柄であった(出来高の多い順に上位10銘柄を提示)。上位10銘柄の出来高合計は634,961口で先週の539,183口を上回った。

コード 名称 出来高(口) 分配金利回り(11月16日時点) 投資対象
3298 インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 163,217 5.21% オフィス
8963 インヴィンシブル投資法人 115,200 7.29% 総合
3462 野村不動産マスターファンド投資法人 53,546 4.23% 総合
8985 ジャパン・ホテル・リート投資法人 51,597 4.86% ホテル
3281 GLP投資法人 51,456 4.56% 物流
8953 日本リテールファンド投資法人 50,947 3.98% 商業
8960 ユナイテッド・アーバン投資法人 45,108 3.92% 総合
3283 日本プロロジスリート投資法人 37,940 3.74% 物流
3309 積水ハウス・リート投資法人 34,735 4.38% 総合
8954 オリックス不動産投資法人 31,215 3.85% 総合

個別の銘柄で見るとインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人のトップ返り咲きと日本プロロジスリート投資法人のランクインが目立つが、他にランクインしている銘柄やその順位は先週と似通ったものとなった。
出来高についてはインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人とインヴィンシブル投資法人が他投資法人にダブルスコア以上の差をつけて隔絶した位置にあるが、投資主構成を見ても両者に特に共通する要素といったものは見いだせず、当該2銘柄が他銘柄より頭一つ抜け出して取引が活発に行われている理由は現時点で不明である。

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