2007年03月12日

株主優待で企業戦略/池島 麻美

 
 日本の企業で3月決算の多いこの時期、私は株式優待目当てに銘柄を狙います。
株の売買で20%、30%とキャピタルゲインを取る事はもちろん嬉しいのですが、株式優待はほんのちょっとした企業からのプレゼント程度。しかしこれが、投資という孤独な戦いの時には効果的なのです。単純な私は相場で負けていても株式優待が届くとなんとなく幸せな気分になってしまうのです。
ということで今回は、株式初心者の方にもおすすめ「株式優待について」二回にわたりご案内させていただきます。

株式優待とは、その会社の株を一定以上保有している株主が、品物やサービスを受けられる株主優待制度です。株式会社とは、株式を発行し投資家から資金を調達して売り上げをあげ、その利益の一部を株主へ株主優待や配当として還元するのです。株主優待は、投資してくれた株主へ感謝の気持ちのようなものですね。

ただ全ての会社が株主優待を行なっているのではないのですが、ここ最近では個人の投資家の増加を期待する企業戦略により、株主優待をする企業も増えております。新規上場とともに株主優待を発表して投資家の目を引く企業もあれば、既存の上場企業が株主還元策として増配したり株式優待を新しく取り入れる企業も増えてきました。
企業にとっては、株主優待は自社の商品やサービスを知らしめたり、企業を個人投資家にアピールする絶好の機会でもあるのです。
今後、日本企業は外資の買収防衛作として今まで以上に株価を意識する努力が必要になると思われます。株主還元策として増配や株主優待を行い、株価上昇を狙うことも出来ます。株主優待は個人投資家をいかに大事にしているかの目安にもなるのです。

先日、2月20日の日経金融新聞でによると、企業の株主優待に対する姿勢に「不満足」としている個人投資家が全体の47%も占めており「満足」している個人投資家はたったの17%という記事を見付けました。日経金融新聞の一部を抜粋させていただくと、利益配分を充実させる方法として株主優待を望む個人投資家は全体の50%に達しており、好業績を配当だけでなく優待というなじみやすい形で反映してほしいと要望が高まっているとのこと。この記事、企業にとっては個人投資家を取り込む大きなヒントではないでしょうか。
今後は、これまで以上に個人投資家を大事に出来るかが勝負です。
私のように、多少の株価の下落も優待で許してしまう投資家いるのですから。企業のIR事業部の方々、是非とも株主優待をもっと充実させてほしいものです。株主優待を上手く使った企業戦略が楽しみです。

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