2007年05月10日

東京ミッドタウンに続く 再開発ラッシュ/池島 麻美


 都心では再開発ラッシュが続いております。
3月30日にオープンしました東京ミッドタウン、もう行かれましたか?
六本木ヒルズでおなじみの六本木。この防衛庁跡地で膨大な資金が投入され、新たな複合施設が開発されたのです。
六本木ヒルズにおいても膨大な資金と時間が費やされたことでは有名です。土地を含めた総事業費は4,700億円と言われており、17年間という時間をかけて開発されました。
この東京ミッドタウンにおきましても、同様に巨額の資金を投入されており、土地購入で1,800億円、そして事業費3,800億円という六本木ヒルズを超える巨額の資金が動いているのです。
この最近の開発にも言えることですが、資金の調達方法はとても興味深いものがあります。
森ビルが、六本木の「川崎定徳」の保有不動産を購入したところから始まりました。川崎定徳ってどなたかって一言でいえば六本木の大地主。
バブル崩壊後は、実質的三井住友銀行の管理下でしたが、不良債権の処理を迫られた三井住友銀行は川崎定徳の貸出債権を売却、そしてそれを米系投資ファンドのローンスターが買い取り、森ビルに転売したという流れで始まった東京ミッドタウン計画です。
資金調達の手法として、森ビルはSPC(特定目的会社)を通じて大手外資系金融機関などが共同出資を募りました。
開発資金はSPCの資金と銀行よりノンリコースローンで借入れます。ノンリコースローンというのは物件に対して融資されるものであり、借り手の信用力も返済力も求められない融資なのです。
そのため森ビルのリスクはSPCの出資を受けた分だけになります。
森ビルの巨額の有利子負債はこの資金調達手法を使うことで、実質借金ではなく再開発ができたということにもなるのです。
今後、まだまだ戦後に次ぐといわれる都市再開発が続きます。東京ミッドタウンにはじまり夏から秋にかけて完成する予定です。
まだまだ地価上昇、オフィスビル価格の暴騰は続きそうです。

・4月 新丸ノ内ビルディング(三菱地所)、
・9月 東京駅八重洲口開発(三井不動産、JR東日本)、
・豊洲、勝どき、晴海月島の東京臨海地域、
・9月 霞が関R7プロジェクト(東京建物、日本土地建物、新日鉄都市開発)
・2008年1月赤坂5丁目TBS開発計画・オフィス・商業棟(三井不動産、東京放送)
・2008年春 汐留シオサイト I-2街区計画(三菱地所、東急不動産、三井物産、平和不動産)
・2008年 11月 丸の内トラストタワー(森トラスト)
・2009年 3月 大手町地区 第一次再開発(三菱地所、NTT都市開発、サンケイビル)
・2011年 環状2号線 新橋・虎ノ門地区再開発 (東京都、森ビル、西松建設グループ)



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