2010年11月05日

金融緩和について/REITアナリスト 山崎成人

 日米が金融緩和政策を採っていることで、市場にはかなりの資金がだぶついているはずですが、それが上手く回っていないようです。
国内では以前から金融緩和状態にありましたが、だぶついた資金はリスクを恐れて国債に流れているのではと思われます。
確かにゼロ金利であれば、国債投資でもリターンが得られますから、敢えてリスクを犯さないという心理が働いているのではと思われます。
本来、金融緩和によって金融機関に流れる金は、その先に流れないと景気効果はありませんが、国債では国に戻るだけですから大した効果出ないのも当然です。
金融機関の本来業務である融資がどのような状態になっているかは定かではありませんが、聞くところによると、住宅ローンの審査もかなり厳しくなっていますし、中小企業融資はセーフティネットに偏っている感があります。
一方、優良貸出先となる大企業は手元流動性を高めていますし、資産調達も投資市場からの直接金融を活用していますから、間接金融の比重が下がっています。
元々、金融政策による景気対策とは、市場に流れる資金を増やしたり調達コストを下げたりして、市中金融機関に資金を集め、金融機関の触媒作用によって、お金の流れを増やすことですが、今は金融機関に触媒機能が無くなっているようです。
逆に、負の触媒機能が働いているようにも思えますから、ここを何とかしないと金融政策による景気効果は期待出来ません。
それに、こうなると、最早金融当局だけでは手が出ませんから、政治が積極的にリードしていかなくてはなりませんが、今の政府の当事者能力に疑問が残ります。
首相交代によって、青臭い書生論による政策展開は回避されましたが、それを全面修正出来る訳ではなく、辻褄合わせのような政策展開が続いています。
これでは、景気回復の道筋は見えてきませんから、外需頼みしかありません。
米国の金融緩和によって、ドルがだぶついてきますが、この資金がどこに流れるのかが気になります。
先ずは、経済成長途上にある新興国へ流れるのは必定ですが、その一部でも日本に流れてくれば景気効果が期待出来ます。
既に、一部では、海外資金の日本流入による不動産価格への影響を探る動きも出ているようですが、今の日本へどの程度流れるかははっきりしません。
それに日本の不動産も二極化(多極化?)が進行していますから、一般論ではどうにもなりません。
収益用不動産としてそれなりの実績が期待出来るものは有望ですが、ドロップアウトしていく不動産もありますから、それが選別出来ないと資金は流れ込まないのではないかと思えます。


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