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「REITキーマンに聞く!」 さくら不動産投資顧問株式会社 投資運用部長 田口 嘉邦氏
今回は、さくら不動産投資顧問株式会社 投資運用部長 田口 嘉邦氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
――商業施設の全般的な取得環境について現状と今後の見通しをお話し下さい。
商業施設に関しても、取引市場の過熱状況及び取引キャップレートの低下傾向は引き続き継続です。
今後の見通しですが、全国的な人口減少傾向、Eコマースの市場規模の拡大傾向といった要因から、商業施設は他のセクターの物件よりも安定性・収益性の面から投資対象として見劣りしていくのではないかという意見も一部で囁かれています。
しかしながら、当該商業施設の存する近隣エリアの地域住民の生活利便性を支えるテナントで構成される、いわゆる「生活密着型商業施設(ネイバーフッドリテール)」については、相応の集客能力や収益力を維持していくと見ています。
したがって、今後の商業施設投資は、人口及び世帯数等を含む近隣エリアのマーケット状況等をより精緻に分析し、市場性及び投資採算性を判断することが一層重要になっていくのではないでしょうか。
――最近、インバウンド需要で注目の高まっているホテルについては、どのようにお考えでしょうか。
ホテルについてはインバウンド需要の更なる拡大傾向を背景に、空港のキャパシティとLCCの増便状況を見ると、成田・羽田のある東京圏、そして関空を擁する大阪圏での供給が盛り上がっている印象です。
ただ、実際に投資をしようとすると観光客需要だけではなく、ホテルオペレーターのクレジットや賃貸借契約の内容にこれまで以上に目を光らせる必要があるのではないでしょうか。
――金利・資金調達環境についてはどのような見通しをお持ちでしょうか。
金利環境に関しましては、目先は金融緩和政策の維持に伴って低金利環境も継続すると考えています。
また前述のとおり、今後3年から5年という時間軸では日銀の金融緩和政策の出口戦略と関連して金利環境にも一定の調整局面が到来すると予測しています。
したがって、負債の長期固定化や返済タイミングの分散化を進め、LTVを健全な範囲で運用していくことが一層重要になると考えています。