今回は、さくら不動産投資顧問株式会社 投資運用部長 田口 嘉邦氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
略歴:田口 嘉邦(たぐち よしくに)氏
1997年4月、株式会社都市開発不動産鑑定所にて鑑定評価業務に従事した後、2001年4月プレミア・リート・アドバイザーズ株式会社、カナル投信株式会社(現 平和不動産アセットマネジメント株式会社)、ラウンドヒル・キャピタルパートナーズ株式会社(現 PGIMリアルエステート・ジャパン株式会社)及びスターアジア投資顧問株式会社において、REIT及びプライベートファンド等、様々な不動産ファンドの資産運用業務に従事。現在、さくら不動産投資顧問株式会社の投資運用部長(現任)。
まず、近時の不動産取引市場全体の状況としましては、オフィスを含む全てのセクターにおいて、取引市場の過熱状況が継続中だと捉えています。
最近の取引キャップレートを見ますと、超低金利環境の長期化の影響も受け、2006年から2007年にかけてのいわゆる「ミニバブル期」を下回る水準で推移しています。このことからも過去に例を見ない取引市場の過熱感がうかがえます。
投資エリア別では、都心部を含む東京23区は勿論、その他の東京都エリアや神奈川、千葉、埼玉の3県における主要オフィスエリアでも東京23区に差し迫る勢いでキャップレートの低下傾向が強まっていると感じています。
こうした点から、オフィス市場の過熱感は目先継続するものと予測していますが、今後3年から5年という時間軸では、日銀の金融緩和政策の出口戦略とも関連した金利動向によって一定の調整局面が到来する可能性も想定しています。
地方圏における取引状況に関しましても、東京圏に差し迫る勢いで過熱感が強まってきているものと感じています。特に大阪、名古屋、福岡が東京圏と同様の過熱状況です。その背景の一つには需要の盛り上がりの割に供給が極めてタイトなことが挙げられます。
とは言うものの、地方圏の物件は、キャップレートの側面において東京圏の物件よりも相対的に高水準の物件が相応に存在していることも事実です。ですので、地方圏においても潜在的な取引情報を広範かつ大量に収集することで良質な物件を獲得できる可能性は相応にあるものと感じています。
仙台や札幌についても過去に比べてオフィス取得環境自体は熱を帯びていると思います。ただしJ-REITによる取得状況という点では、大阪や名古屋、福岡に先行を許している印象です。
というのも、仙台や札幌は土地が比較的安価なことから、不動産価格の内訳でどうしても建物の比率が高くなります。結果、不動産取得後に生じる建物の減価償却費がより嵩むことになりますので、投資適格性を有する物件の獲得可能性という側面においては、大阪、名古屋、福岡よりも低くなってしまうのではないでしょうか。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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