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2019年05月20日

スターアジアグループ対さくら総合リート投資法人 合併を巡る攻防(1)

時事解説

【注釈】

※1.スターアジアグループは、日本を含むアジア圏の債券や不動産の証券化商品、現物を投資対象とする外資系の資産運用会社グループ。
債券投資から事業を始め、やがて不動産分野への投資に進出していった。
本文中にもあるようにJ-REITスターアジア不動産投資法人のスポンサーともなっており、日本では現在オフィス、商業施設、住居、ホテルといった不動産約358億円を保有している他、学生寮といった非伝統的な用途の物件についても積極的に開発・投資に取り組んでいる。

※2.さくら総合リート投資法人は、日本企業日本管財グループと豪州企業ガリレオグループをスポンサーとする総合型J-REIT。
日本管財グループは日本国内のオフィスやマンションのPMやBMを主要事業とする東証1部上場企業。
2019年3月期の経営成績、財務状況(いずれも連結ベース)を確認すると、売上高は約979億円、総資産額は約726億円でそのうち販売用不動産は約44億円、有形固定資産として計上している不動産(土地+建物及び構築物(純額)+建設仮勘定)は約43億円となっている。
ガリレオグループは豪州に拠点を置く資産運用会社グループで、同国の他に日本や米国の不動産について開発や投資を手掛けている。
同社は豪州においてREITを2件上場させた実績を有するが、そのうちの1つで日本不動産を投資対象とするものについて豪州での上場を廃止し、日本管財グループを共同スポンサーに迎えて2016年9月に「さくら総合リート投資法人」として東証に上場させた。

※3.投資信託及び投資法人に関する法律(以下、投信法)の第90条第3項及びそこで準用される会社法第297条第1項、第4項の定めにより、発行済投資口数の100分の3以上の投資口を6か月前から引き続き有する投資主は、投資法人の執行役員に対して投資主総会の目的である事項と招集理由を示して投資主総会の招集を請求することができる。

※4.投信法第93条の2は原則として「投資主総会の決議は、規約に別段の定めがある場合を除き、発行済投資口の過半数の投資口を有する投資主が出席し、出席した当該投資主の議決権の過半数をもつて行う」としているが、以下の項目については投資主への影響の大きさから原則以上に厳格な採決条件(「発行済投資口の過半数の投資口を有する投資主が出席し、出席した当該投資主の議決権の三分の二(これを上回る割合を規約で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数」の賛成が必要)を定めている。
・投資口の併合(投信法第81条の2第2項 会社法180条第2項を準用)
・任務懈怠で投資法人に損害を与えた役員等の損害賠償責任の減免
(投信法第115条の6第3項)
・規約の変更(投信法第140条)
・投資法人の解散(投信法第143条第3号)
・吸収合併で消滅する投資法人の合併契約承認(投信法第149条の2第1項)
・吸収合併で存続する投資法人の合併契約承認(投信法第149条の7第1項)
・新設合併で消滅する投資法人の合併契約承認(投信法第149条の12第1項)
今回の案件では、スターアジア側が議決権過半数の賛成で成立する執行役員と資産運用会社の交代から合併への突破口を開こうとする一方、さくら総合リート投資法人側は「合併が念頭にあるのだから議決権三分の二の賛成が必要となる議案」と反発している。
もしスターアジア側の目論見通りに事が進めば、さくら総合リート投資法人の規約では執行役員の選解任と資産運用契約の締結・解除に係る投資主総会の決議条件に特段の定めを置いていないこともあり、臨時投資主総会では上記原則がそのまま適用されることになろう。

※5.「みなし賛成」とそれが成立しない場合の条件は投信法第93条第1項の定めによる。

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