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マーケットコラム

J-REIT価格急落時の特徴/アイビー総研 関 大介

2016-01-22

関 大介

1. 年初の投資口市況

 2016年に入ってから、J-REIT価格は下落基調が続いています。東証REIT指数は、1月20日に1,635.52ポイントとなり、2015年末と比較すると6%を超える下落となっています。
但し、日経平均株価が同期間で13%を超える下落となっている点と比較すると、J-REIT価格の値下がり率は半分程度です。
J-REIT価格が株式市場より下落率が低い要因として、2016年1月の10年国債利回りが20日までの平均で0.23%と過去最低水準で推移していることが挙げられます。
利回り商品であるJ-REITにとって、国債利回りの低下は追い風となる上、円高進行の影響を受けやすい株式市場と比較すると、相対的にJ-REITを積極的に売る必要は低い状態です。
しかし株式市場の下落がさらに続くと、投資家のリスクオフの動きがJ-REITに本格的に波及し、価格が急落する可能性もあると考えられます。

従って、今回はJ-REIT価格急落時の特徴について記載します。


2. 2015年における2回の価格下落時の特徴

J-REIT価格は、2015年6月末から9月上旬にかけて2回にわたる急落局面がありました。

東証REIT指数は6月末には1,800ポイントを超えていましたが、7月10日には1,645.28ポイントまで8%を超える下落となりました。
中国株式市場の混乱などにより、7月2日に東証REIT指数が2015年に入り初めて1,800ポイントを割り込んだため、投資家があらゆる銘柄を売却したことがJ-REIT価格急落につながりました。
図表1の通り、6月末から7月10日かけてJ-REIT市場で時価総額がそれぞれ1位と2位の日本ビルファンド投資法人(NBF)とジャパンリアルエステイト投資法人(JRE)及びその他銘柄(※)の価格動向に大きな違いは生じていません。
一方で、7月10日以降の東証REIT指数は回復しましたが、その他銘柄の上昇幅は小さいことからNBFとJRE価格上昇が指数の回復に大きな役割を果たしています。

その後東証REIT指数は8月4日に6月末とほぼ同じ水準まで回復しましたが、その後は反落し9月8日には6月末に対して16%を超える下落となりました。
図表2は、8月4日以降の価格動向を明確にするために、8月4日を始点としたグラフとなっています。
図表2の通り、この期間のうち8月14日まではNBF、JREの価格が東証REIT指数を大幅に超える下落率になっています。

但し、図表1の通りNBF・JREともに6月末時点と比較すると東証REIT指数をほとんど上回っています。
つまり、他銘柄と比較して価格を維持してきたNBFとJREが、8月4日から8月14日にかけて他銘柄に近い水準の下落率まで売り込まれたという値動きになっています。

このようにJ-REIT価格が大幅な下落基調に転じる時には、比較的堅調だったNBFとJREが大幅に値崩れすることが多いという特徴があります。
特にオフィス市況が回復局面にあり増配期待が大きい2015年以降の状況で、オフィス系銘柄の中でも代表的な銘柄であるNBFやJREの価格が急落するということは、投資家のリスクオフを明確に示しているものと考えられます。


3. 価格下落時における注意点

前述の通り東証REIT指数は年初から6%の下落ですが、NBFは1.5%の下落、JREは1.2%の上昇と比較的堅調な値動きが続いています。
今後のJ-REIT価格が大幅な下落基調に転じる際には、8月4日以降の値動きと同様にNBF、JREの価格が大幅な調整に入ることも想定されるため、この2銘柄の価格に注意を払う必要性が高いものと考えられます。

※NBF、JREを除く2015年6月末時点に上場していた50銘柄を指す。

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