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マーケットコラム

大和ハウス・レジデンシャル投資法人と大和ハウスリート投資法人の合併メリットについて/アイビー総研 関 大介

2016-05-13

関 大介

 今回は、4月15日に公表された、大和ハウス工業がスポンサーとなっている大和ハウス・レジデンシャル投資法人(大和レジ)<8984> と大和ハウスリート投資法人(大和リート)<3263> の合併について記載します。


1. 大和ハウス・レジデンシャル投資法人と大和ハウスリート投資法人の合併の仕組み

この合併は、両投資法人の投資主総会の承認を条件として、大和レジが大和リートを9月1日に吸収合併するかたちになっています。従って大和リートは8月29日に上場廃止となる予定です。
存続投資法人は大和ハウス・レジデンシャル投資法人ですが、投資方針を様々な用途に投資する総合型とするため、名称を「大和ハウスリート投資法人」と変更する(新大和リート)<8984> 予定です。
新大和リートは、合併後取得予定の物件6棟172億円と併せると、ポートフォリオ規模が5,000億円を超え、J-REIT業界で第7位になる(※1)としています。


2. 合併の目的とメリットとは?

合併説明会資料(※1)では、合併の意義について様々な面を記載していますが、合併による規模拡大を果たすことで運用の柔軟性を向上させるという目的が大きいと考えられます。
特に合併説明会資料のP15に記載されている「大規模物件の取得やM&A等の取り組みが容易に」という点は、合併によりポートフォリオ規模を拡大しないと実現が難しい面があります。合併前の大和レジのポートフォリオ規模は2,500億円程度、大和リートは2,000億円程度となっていましたので、200億円を超えるような物件を取得した場合には、その物件の影響を大きく受ける状況であったと考えられます。
また規模を拡大することで、物件の売却による影響を軽微にすることも可能です。
物件売却を行うと、売却益が計上できたとしてもその後の決算期では当該物件の賃貸収益は減少することになります。しかしポートフォリオの規模が大きければ、賃貸収益減少の影響を少なくすることが可能です。
特に、大和レジは2010年にニューシティ・レジデンス投資法人との合併を行いました。従ってスポンサーである大和ハウス工業が開発した物件の保有比率は低い状態であり、大和レジが存続銘柄となっているため2016年2月期末で320億円程度ある保有物件の含み益は維持できます。
つまり新大和リートは、大和レジの保有物件を売却した場合に売却益を計上しやすい状況が維持できるだけでなく、ポートフォリオに与える影響を少なくすることが可能となります。


3. 合併公表による投資口価格への影響は?

価格動向を見ると、合併に対する投資家の評価は高くなっています。
具体的には、3月末と比較して4月に大和リートは17%弱、大和レジは12%を超える価格上昇を示し、上昇率はそれぞれ1位、2位となっています。


4. 合併により生じるのれん

なお、今回の合併は野村不動産マスターファンド投資法人(NMF)<3462> と同様にのれんが発生するものとなりました。
従ってのれん償却が発生しますが、NMFと異なりのれん償却費は内部留保を取り崩すことで、分配金への影響を回避する仕組みとなっています。


合併による収益への影響や合併によるデメリットについては次回記載する予定です。

※1: 2016年4月18日付「大和ハウス・レジデンシャル投資法人大和ハウスリート投資法人合併説明会資料」に拠る。

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