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マーケットコラム

2016年年間価格騰落率上位3銘柄について/アイビー総研 関 大介

2017-01-13

関 大介

 今回は、個別銘柄の2016年年間価格騰落率(※注1)上位3銘柄となった、
日本アコモデーションファンド投資法人(NAF)
積水ハウス・SIレジデンシャル投資法人(SHSI)
ケネディクス・オフィス投資法人(KDO)
の投資口価格の推移と背景について記載します。


1. 価格騰落率1位と2位は?

2016年の価格騰落率は、NAFが+21.7%、SHSIが+19.8%、KRIが+18.9%となりました。
価格騰落率1位と2位は、NAF、SHSIの住居特化型銘柄です。
住居系銘柄はテナントの分散効果が大きいため、収益の安定性が高いという特徴があります。
但し、同様に住居系銘柄の中でも10%を超える下落率を示している銘柄もあるなど、単に住居系銘柄であれば価格が上昇するという単純な傾向は見られません。
住居以外の傾向としては、大手不動産系の会社がスポンサーになっているという点が挙げられます。NAFは三井不動産、SHSIは積水ハウスです。
このような点から、この2銘柄の価格上昇の背景には、比較的利回りが高い住居系の中でもスポンサーが大手であるという安心感が評価されたことがあると考えられます。
この2銘柄以外にも大手企業がスポンサーとなっている住居系銘柄は2016年の価格上昇率が高くなっています。従って、住居系銘柄は出遅れ感がある大手スポンサー以外の銘柄を除いて今後の価格上昇余地は少ないものと考えられます。


2. 価格騰落率3位は?

次に価格騰落率3位となったKDOは、中規模のオフィスを中心に投資を行う銘柄です。
オフィス賃貸市場に関しては、2018年以降に東京都心部で大規模オフィスの供給が増加するというという懸念材料があります。
この点だけを見れば、KDOは大規模オフィスビルの供給で影響を受けにくい中規模オフィスという点が評価されたように見えます。
しかし、中規模オフィスを主体とする銘柄でも10%を超える下落率を示している銘柄があります。
従ってKDOは単に中規模オフィスを投資対象とする点だけが評価されたということにならないと考えられます。

他の中規模オフィスを投資対象とする銘柄とKDOの違いは、物件の取得手法にありそうです。
12月1日に森ビルとの間で物件の相互取引を行うことを公表しました。森ビルから「アーク森ビル」の34階及び35階の共有持分40%を取得し、併せて森ビルに「ビュレックス虎ノ門」を売却するという取引です。
また同様の相互取引を、11月には平和不動産と、3月には日本土地建物との間で行っています。
売却物件は今後の再開発が見込まれているエリアであり、買手の購入意思にKDOが応じたかたちになっています。
一方で単純な売却とせず、取引先が保有する物件を取得することで、競合が激しいオフィスビルの取得を可能としたのです。
また3件の相互取引により、売却益27億円超(プレスリリース時点)を計上し、可能な限り内部留保を行うことで、今後の分配金安定に寄与するものとなりました。
このような点が、KDOの価格上昇の背景にあったものと考えられます。
同様な手法を採用するためには、都心部に再開発可能な中規模ビルを保有している必要があります。
この手法が価格上昇の牽引役となったという認識が広がれば、同様の事例が他銘柄でも実現する可能性があります。
従って、同様の事例が実現しそうだと考える投資家であれば、中規模オフィスを投資対象とする銘柄には投資妙味がありそうです。

※注1: 2015年末時点で上場していた50銘柄を対象としている。

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